「君の名は。」を観ました。とても素敵な映画だったのにモヤモヤする理由。


 「君の名は。」を観終わったとき、今まで新海監督の作品を見てきた人は「あぁハッピーエンドか。よかった」と思うと同時に「それでいいの?」と感じたと思います。私もそう思いました。

 デビュー間もない頃から応援していたバンドが売れた時に感じる違和感のような。曲がヒットしたのはとても嬉しいけれど、いかにも売れ線の曲でこのバンドらしくない。みたいな。そんなモヤモヤ感に似ていると思います。

 太宰治の「走れメロス」、三島由紀夫の「潮騒」に似たような位置付けの作品に感じられました。それぞれの作者の大ヒットした小説だけど、作者の他の作品世界とは違う物。村上春樹の「ノルウェイの森」もそうかもしれない。

 だからどうなんだと言われたら何も言えませんが、なんとなく、据わりの悪い気持ちでいます。なので、僕はこんな風に解釈することにしました。歩道橋ですれ違って、お互いに気づかないで終わる。までが新海誠の「君の名は。」であり、そこから先は川村元気の「君の名は。」なのだろう。と。そしたら、純然たる「新海誠作品、そして最高傑作だ」として受け入れることができました。

  とても素敵な映画でしたよ。僕が10代の頃に見ていたらもっともっと切ない気持ちになって、胸を鷲掴みにされるような気持ちになっていたと思います(もちろん僕も女性と入れ替わったら鷲掴みにすると思います(笑))。でも、そうはならない。歳を取ってしまったことをものすごく感じた映画でもありました。

追記)

新海誠監督のインタビューを読みました。

『君の名は。』新海誠インタビュー後編 震災以降の物語/『シン・ゴジラ』との共時性? – KAI-YOU.net

──その結末は、最初から決めていたものなのでしょうか?

新海 最初から決めていました。脚本を書き始める前の企画書の段階で、ラストの形ははっきり決まっていました。迷いはなかったと思います。

 あぁ、新海誠の物語としてあのラストなのか。それは素直によかったなと。うん。よかった。